モティバってどんな豊胸シリコン? デメリットや注意点も解説
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バストクリニックのシリコンバッグ豊胸では、Establishment Labs社の「モティバ」というバッグを採用しています。このバッグは世界的にも広く使用されており、当院としては、現時点で最も安全性に信頼がおけるバッグだと評価しています。このバッグの特徴、使用時の注意点(デメリットとリスク)、他のバッグとの違いについて解説します。
モティバとは
モティバは Establishment Labs社というコスタリカのメーカーが開発した豊胸用シリコンバッグの一種です。この会社は、豊胸バッグのメーカーとして有名なメンター社、アラガン社、ユーロシリコン社といった名だたる企業の技術者が集結して設立した会社です。モティバは、彼ら豊胸シリコン開発のエキスパートによって、柔らかく自然な見た目と手触り、そして安全性を追求して設計されました。
特徴1:充填率が高い
中に詰まっているシリコンの密度(充填率と言います)が高く、押した時の反発力が大きいです。このため、バストに入れた際、シワになりにくいのが特徴です。
特徴2:種類は3種類
モティバには、❶プログレッシブジェル ❷プログレッシブジェルプラス ❸プログレッシブジェルアルティマの3種類がありますが、華奢なアジア人に適していると言われるのは❷と❸です。特に「エルゴノミクス」と呼ばれる❸は、中身のシリコンの粘度が低く、縦にした時に垂れやすいので、自然さを重視する日本の女性に好まれています。
特徴3:世界60カ国以上で認められた安全性
モティバの全ラインナップはCEマークを取得しています。CEマークは、EU加盟国で販売される製品に貼付が義務付けられている安全マークで、このマークのある製品はEUの基準に適合していることを意味します。ユーザーの健康と安全を守るための条件を満たしていることを証明するものです。
また、使用しているシリコンジェルは、医療用シリコンジェルとして各種試験に合格し、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を得たジェルのみを使用しています。この他にも、モティバは世界60ヵ国以上の規制当局から承認を得ています。
施術に伴うデメリット/リスク
モティバ特有のデメリットやリスクはありませんが、シリコンバッグ豊胸全般に見られるデメリットやリスクは、あらかじめ押さえておいてください。
デメリットはダウンタイムの長さと傷跡
シリコンバッグ豊胸では組織を剥離する必要があるため、脂肪注入やヒアルロン酸豊胸などと比べて痛みは大きく、また痛みを感じる期間も長くなる傾向があります。また、バッグを挿入する際は脇の下か乳房下縁のいずれかを切開しますが、切開に伴う傷の大きさは数センチと比較的大きくて目立ちます。脇の下は目立ちにくいと思われるかもしれませんが、ノースリーブを着た時にバレてしまうこともあるので、肌を露出する機会が多い方はあえて乳房下縁から挿入することもあります。
脇の下から挿入する場合 | アンダーバストを切開する場合 | |
---|---|---|
方法 | 脇の下を数センチ切開し、そこからバッグを挿入 | アンダーバストを切開し、そこからバッグを挿入 |
メリット | 傷が目立たない | 目視で手術できるので安全 バッグが上にずれることがない 術後の痛みが軽い |
デメリット | 高度な技術が必要 | バストに比較的大きな傷が残る |
カプセル拘縮のリスクがある
挿入したバッグの周囲に被膜が形成され、それがバッグを締め付けることで胸が硬くなり、場合によっては胸の形も変形していくことがあります。ただ、決して高確率に生じるものではありません。10人に1人ぐらいの割合です。また、モティバを使用した豊胸手術では、スムースタイプやテクスチャードタイプの豊胸シリコンよりカプセル拘縮率は低いとする研究結果の報告もあります[1]。
寿命も考慮すべき
モティバは非常に耐久性に優れているので、従来品よりも長期間もつ可能性は高いですが、劣化するスピードは体質や施術のやり方によって変わってきます。「寿命は半永久的」と説明しているサイトもありますが、それは不具合が起きなければという前提の話です。バストに違和感を感じた場合は、なるべく早めにご相談ください。当院では乳腺専用のエコー検査で、非侵襲的にバッグの状態を確認することができます。
モティバとベラジェルの違い
モティバと並んで最近人気なのが、ベラジェルという韓国製の豊胸シリコンです。この両者の違いをお示しし、なぜ当院がモティバを採用しているかをご説明します。
外膜
表面を覆う膜は、モティバに比べて、ベラジェルは薄いです。触った感じはモティバの方が丈夫な印象があります。
内容物
ベラジェルの方がサラサラとしていて、触った時の反発も少ないです。それに比べると、モティバは中身のシリコンにやや粘り気があって、中身もたくさん詰まっている感じ(弾力がある感じ)がします。柔らかさという点ではベラジェルが優っています。
安全性
モティバが発売されたのは2010年。以来世界60カ国以上で使用されており、多くの使用実績があります。一方、ベラジェルもほぼ同時期の2011年に発売されたのですが、2020年、許可されていない材料の使用が発覚し、一時自主回収される事態になりました。
当院の評価
ベラジェルは非常に柔らかい手触りが魅力ですが、その柔らかさゆえ、痩せた人に使うとバッグのシワが皮膚の上から感じられるようになるリスクがあります。一方、モティバはアジア人向けに作られたものではないので、あまり大きさを欲張ると体のバランスに見合わなくることがあります。サイズ選びは要注意です。
長期的な安全性についてはどちらも未知数ですが、ベラジェルに関しては、過去に不正を隠蔽した会社の姿勢は不安要素として残ります。以上を考慮し、当院では安全面と効果の両面で信頼できるモティバを採用しています。
モティバ | ベラジェル | |
---|---|---|
外膜 | 厚い | 薄い |
内容物の性質 | 粘り気、弾力性を感じる ベラジェルに比べて弾力性を感じる | サラサラとしていて、粘り気が弱い 手触りは非常に柔らかい |
安全性 | 特に目立った報告はない | リコールされた過去がある |
注意点 | アジア人向けでないのでサイズ選びを慎重にしなければいけない | 痩せた人に使うとバストの中でシワになりやすい |
当院では最新のエルゴノミックス2をご用意
モティバの豊胸シリコンのラインナップで、特にアジア人に人気のプログレッシブジェルアルティマ(通称:エルゴノミックス)。この品質をさらに進化させたものが、モティバエルゴノミックス2です。
伸張性が約2倍、弾力性が45%向上し、今まで以上に自然な仕上がりを追求できるようにになりました。当院では、この最新バッグを軸にご提供しています。シリコンを使った豊胸術に興味があるという方は、ぜひ一度、当院までご相談ください。バスト治療専門クリニックとして、大きさと自然さを両立させる最善の提案をさせていただきます。
コラムのポイント
- モティバは世界60ヵ国以上で使用されている、実績豊富な豊胸シリコン
- アジア人に人気なのは、立った姿勢で雫のような形に変化する「エルゴノミックス」
- 当院では最新の豊胸シリコン「エルゴノミックス2」もご用意
よくある質問
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モティバのメリットは何ですか?
きれいなバストの形をキープできることです。
モティバの最大の特長は、充填率と言われるバッグ内のシリコンの密度が高い点です。充填率が高いと豊胸シリコンの表面がピンと張っている状態なのです。そのため、豊胸後にどんな体勢になってもシワがよったりせず(リップリングになりにくく)、きれいなバストの見た目を保つことができます。 -
モティバはどんなサイズがありますか?
モティバのサイズは350種類にものぼり、細かく分かれたそのサイズ展開は特長のひとつです。
高さは4mm単位で異なるMINI(ミニ)、DEMI(デミ)、FULL(フル)、CORSE(コース)の4シリーズ、横幅は5mm単位で展開されています。
どのサイズが良いかは、バストの状態やご希望をうかがってアドバイスさせていただきますので、モティバでの豊胸手術にご興味ある方は、ぜひ一度ご相談ください。
出典