ヒアルロン酸豊胸のデメリット&失敗リスク【当院が行わない理由教えます】
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手軽な手法で人気を集めているヒアルロン豊胸ですが、必ずしもメリットだけではありません。ここでは、ヒアルロン酸豊胸のデメリットやリスク、失敗例、そして当院がこの施術を行わない理由を詳しく説明します。豊胸手術を検討している方は、リスクを理解し、後悔のない選択をするための参考にしてください。
転ばぬ先に知ってほしい!ヒアルロン酸豊胸の失敗例
まずはこちらの症例をご覧ください。
他院でヒアルロン酸豊胸を受けた後に失敗した(しこりができた)症例です。ご覧いただくように、体質によっては、見た目にここまで影響することもあります。
こうなると、ヒアルロン酸を除去するために再手術を受けるしかありません。
この方は、ヒアルロン酸の除去に加え、自然な見た目とボリュームを維持するために脂肪注入豊胸も一緒に行いました。つまり、それだけ費用もかさんでしまったというわけです。
このような失敗に後悔する方を一人でも無くしたいとの思いから、以下ではヒアルロン酸豊胸のデメリットとリスクについて詳しくご紹介します。惜しみなく情報提供させていただきますので、迷った際の参考にしてください。
施術名 | ヒアルロン酸除去+脂肪注入豊胸 |
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施術概要 | ヒアルロン酸注入豊胸でできたしこりを除去し、代わりに良質な自己脂肪(コンデンスリッチファット:CRF)を注入する豊胸手術。脂肪は太もも、腹部などの皮下脂肪を採取し、そこから老化細胞や血液等の不純物を特許技術の遠心濾過で除去。 |
施術費用 | ヒアルロン酸除去:¥620,000(税込¥682,000)/しこり1個 コンデンスリッチ豊胸(モニター料金):¥864,000(税込¥950,400) |
副作用・リスク | 施術後には一定期間、痛み、浮腫み、内出血、こわばり等の症状が見られることがあります。また、この他にも予期しない症状が現れる可能性がありますので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。 |
ヒアルロン酸豊胸のデメリット【知っておいてほしい闇】
ヒアルロン酸注入による豊胸術には、大きく5つのデメリットがあります。
順を追って詳しくご説明します。
1:効果が一時的で、再手術が必要。費用も割高に
ヒアルロン酸は、基本的には自然に体内で吸収される物質と言われています。実際、注入後1〜2年で効果が薄れてしまうため、持続的なバストアップ効果を期待する場合は、定期的な再手術が必要となります。
再度注入すれば、大きさや形状を維持することは可能です。ただ、そのたびに体に負担がかかりますし、当然コストもかかります。再注入を繰り返すうち、トータルの費用が他の豊胸術よりも高額になったという話はよく聞きます。
2:ボリュームに制限がある
ヒアルロン酸豊胸では、シリコンバッグによる豊胸と比較して大きなボリュームを出すことが難しいです。また、デコルテに注入すると硬く感じるので、形を整えるために用いるにも制限があります。その意味で、脂肪ほど使い勝手は良くありません。
標準体型の方の場合、せいぜい片胸に50mLずつの注入量が適量だとイメージしてください。
ちなみに、1カップ程度のサイズアップを希望されるなら、片胸に100mLずつ注入する必要があるのですが、それをヒアルロン酸で行うのは現実的ではありません。シコリができるリスクが高くなるからです。
また、ヒアルロン酸は多く注入すればするほど、不自然で硬い胸になってしまう可能性があります。
3:実は、アメリカやフランスでは禁止されている
ヒアルロン酸豊胸は、美容大国のアメリカやフランスでは禁止されています[1][2]。
主な理由としては、「乳がん検診(特にマンモグラフィ)の際に、注入されたヒアルロン酸が検査の妨げになる可能性があること」や、充填剤に含まれる成分(ポリアクリルアミドゲル 、液体シリコン、パラフィン等)が、慢性炎症・異物性肉芽腫・皮膚潰瘍などを引き起こす可能性が指摘されているためです。
4:バストが圧力を受けると変形する
ヒアルロン酸は体内に留まっている間、運動や圧力に敏感に反応することがあります。激しい運動やバストに圧力がかかる状況(例:うつ伏せで寝るなど)が続くと、ヒアルロン酸が移動してしまい、バストの形が変形する可能性があります。手術直後の仕上がりには満足だったものの、時間の経過とともにいびつな形に…という事例も過去にはありました。日常生活の動作に制約が生じることも、あり得るとお考えください。
5:乳がん検診の妨げになることがある
「3. 実は、アメリカやフランスでは禁止されている」でも触れましたが、ヒアルロン酸がバスト内に存在する場合、乳がん検診(マンモグラフィー)でヒアルロン酸が影となり、正確な診断が困難になることがあります。
このため、医師には事前にヒアルロン酸注入をしていることを伝える必要があり、場合によっては他の検査方法が必要になるかもしれません。また、ヒアルロン酸の固まりがしこりのように見えることもあり、これが検診結果に影響を与えることも考えられます。
ヒアルロン酸豊胸で考慮すべきリスク
手術に伴うリスクは、どの施術でも存在しますが、特にヒアルロン酸豊胸で注意すべきリスクは3つあります。それぞれ詳しくご紹介します。
見た目にも悪影響!アレルギー反応
ヒアルロン酸は、もともと人体にある物質のため安全とされていますが、極めて稀にアレルギー反応が出ることがあります。頻度としては10,000〜15,000人に1人ですが、特に、既往症がある方やアレルギー体質の方は、事前に医師と十分に相談してください。一般的な症状は「赤み」「腫れ」「しこり」「感染」です。これらの症状が現れたら、速やかに検診を受けてください。
左右差に注意!ヒアルロン酸の不均等吸収
ヒアルロン酸は時間とともに体内で吸収されますが、この吸収が均等に進むとは限りません。一方のバストだけが急速に吸収されてしまったり、左右で吸収速度に違いが生じることがあります。このため、バストの左右の形やサイズが不均衡になる可能性があり、再注入や修正手術が必要になることもあります。
全部は吸収されない?ヒアルロン酸の完全除去は困難
理論上、ヒアルロン酸は徐々に吸収され、最終的には完全になくなるとされていますが、実際には100%吸収されて元通りになることはほとんどありません。注入したヒアルロン酸は、ある程度永続的に残ることが多いとされています。超音波エコーの画像でも、大量のヒアルロン酸を注入すると、体内で被膜に覆われ「しこり」になり、何年経っても吸収されずに残ることがわかってきました。
こうした現象は注入量に比例して多発します。片胸に30cc以上注入した場合は、そのうちの幾らかは残ると考えてください。ヒアルロニダーゼ を使えば良いと説明を受けるかもしれませんが、簡単ではないこともあります。しこりや炎症が生じても完全に除去できず、長期間トラブルを抱えるリスクがることは留意してください。
ヒアルロン酸豊胸で実際にあった失敗例
比較的低リスクとされているヒアルロン酸豊胸ですが、実際には失敗例も報告されています。ここでは、当院で見られた失敗例をご紹介します。
1:炎症・発熱
一部の患者において、ヒアルロン酸注入後に炎症や発熱が発生することがあります。これは、体がヒアルロン酸を異物と認識して防御反応を起こすためです。このような場合、治療が必要となり、場合によってはヒアルロン酸の除去が必要になることもあります。
こちらは実際にそのようなトラブルに見舞われた症例です。
当院ではヒアルロン酸を可能な限り除去し、脂肪注入豊胸(コンデンスリッチ豊胸)を行いました。
施術名 | ヒアルロン酸除去+脂肪注入豊胸 |
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施術概要 | ヒアルロン酸注入豊胸でできたしこりを除去し、代わりに良質な自己脂肪(コンデンスリッチファット:CRF)を注入する豊胸手術。脂肪は太もも、腹部などの皮下脂肪を採取し、そこから老化細胞や血液等の不純物を特許技術の遠心濾過で除去。 |
施術費用 | ヒアルロン酸除去:¥620,000(税込¥682,000)/しこり1個 コンデンスリッチ豊胸(モニター料金):¥864,000(税込¥950,400) |
副作用・リスク | 施術後には一定期間、痛み、浮腫み、内出血、こわばり等の症状が見られることがあります。また、この他にも予期しない症状が現れる可能性がありますので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。 |
2:しこり
しこりができる主な原因は、ヒアルロン酸に対する拒否反応が強く出ること(体に合わない場合)です。術前にヒアルロン酸が自分の体に合うかどうかを確認できれば、このリスクを回避できますが、現時点ではその方法はありません。
最悪の場合、しこりは固く瘢痕化します
しこりが悪化すると「瘢痕化(はんこんか)」が起こります。そもそも、自己組織の膜がヒアルロン酸を閉じ込めることで、しこりが形成されますが、時間が経つとこの膜が線維化し(体内で組織が異常に増殖する状態)、さらに悪化します。 瘢痕化した膜は、バストを切開して摘出するしかありません。その際、バストには傷跡が残ります。 すべての人にこのような事態が起こるわけではありませんが、ヒアルロン酸豊胸を検討する際には、最悪のケースも想定しておくことが大切です。
当院がヒアルロン酸注入を行わない理由
当院では、ゲストに安全で効果的な治療法を提供するため、ヒアルロン酸豊胸は行っておりません。具体的な理由は以下の3点です。
ぜひリスクを十分に理解した上で、自分に最適な施術方法を選ぶことをお勧めします。
1:結果的に高くつく
ヒアルロン酸豊胸は、一見手軽でコストも低いように思えますが、効果が持続しないため、再注入が必要です。そのため、長期的に見ると、初回費用が安くても、複数回の手術を繰り返すことでコストが高額になることが多いです。持続性の高いシリコンインプラントなどの方法と比較すると、トータルの費用が割高になることが多く見受けられます。
2:世界的にはマイナーで、専門家も安全性を疑問視している
ヒアルロン酸豊胸は、一部の国やクリニックで行われていますが、世界的にはシリコンインプラントが主流です。また、ヒアルロン酸を使った豊胸に対して、長期的な安全性に疑問を持つ専門家も多く存在します[3]。
これまでの研究結果や実績に基づき、当院では患者様に安全で持続性のある選択肢を提供することを重視しています。
3:自然な美しさが得られない
ヒアルロン酸豊胸は、シリコンバッグと比べると、自然な手触りや形状を再現することが難しい場合があります。特に、大きなバストを希望される場合は、不自然な見た目や触感になるリスクが高まります。当院では、患者様に自然な美しさを提供することを最優先にしており、ヒアルロン酸豊胸の限界を考慮してこの施術は行っていません。
ヒアルロン酸豊胸はやりませんが、失敗修正は行います
ヒアルロン酸豊胸に関しては、日本の学会でもかなり慎重な意見が主流になっています。例えば、2020年に発表された日本美容外科学会の治療指針には次のように明記されています。
「乳房増大術においてはたとえ(ヒアルロン酸のような)吸収性充填剤であっても,注入が大量であるが故の被膜 拘縮や結節形成,乳癌検診への影響,さらには反復注入による持続的な炎症が乳癌発生リスク を高める可能性なども考慮しなければならない」[4]
以上を踏まえ、豊胸のトレンドは、今やシリコンと脂肪注入の二択と考えています。
よって当院ではヒアルロン酸豊胸は行いませんが、他院で失敗してしまったお胸を元の自然な状態にお戻しする手術は行なっています。ヒアルロン酸豊胸後、もしすでにお困りの方は、お気軽にご相談ください。自然さと大きさ維持の両立をご提案します。
コラムのポイント
- ヒアルロン酸豊胸は効果が一時的で、大きさを維持するには再手術が必要なので、実は費用がかさむ豊胸術
- ヒアルロン酸豊胸はアメリカやフランスでは禁止され、乳がん検診にも影響するリスクがある
- 当院ではコスト面や安全面を考慮して、ヒアルロン酸豊胸は提供していない
出典